ローライダー18の鳴らし込みは順調に進み、どんどん低音の再生能力が向上してきました。量感、質感共に全く文句ございません。情けないことにこれまでオーディオをやってきて満足な低音を出すことができたのは初めてのことです。録音時に低域を持ち上げたと思われるCDではベースのお化けが床を這い回るようになりました。このため最低域のブーストはやめました。
音量を上げてゆくと壁や薄い天井の共振が激しくなり低域が不明瞭になってきます。YSTの導入以前、2155Hの低音不足に悩んでいたころ、JBLの46cmフルレンジであるE155の導入を検討したことがあります。資料が手に入らなかったため当時の日本代理店にFAXで資料を送ってもらいました。そのとき詳しそうな担当者の方と電話でお話したところ、家庭内での使用は強烈すぎると思います、というアドバイスをいただきました。46cmウーハーが家庭用スピーカーとして根付かないのは箱の大きさのせいもありますが、低域のエネルギー量が無用に大きすぎるせいだとも思います。
鳴らし込みが進んできたので、ここでもう一度調整を行いました。最初に手をつけたのは2402H-05のコンデンサ容量の再調整です。半田ゴテ片手にコンデンサの表面の文字をふと見ると、「2.0μF」だと思い込んでいたコンデンサには「2.2μF」の表示が・・・ 購入した時からずっと勘違いしていたようです。
というわけでコンデンサ容量は3.67μFでは大きすぎ、2.67μFでは小さすぎると。ならばその中間位の3.2μFにすればドンピシャのはず、と試してみたところ、聴感上はバランスがとれたようです。でも、イコライジングをさらに追い込む予定なので、これで決まりにはならないと思います。
なんとなく整ってきた感じがするのでローとハイの位相を見直してみることにしました。2155Hのウーハー部を使用してきたときから、ローとハイ(2446H)は共にアブソリュートでの正相接続にしてきました。ハイ側を正相接続にすると音像が前に出てくる一方、音像が若干大きくなるという傾向があります。ハイ側を逆相接続にすると音像がやや奥に引っ込み、その一方音像は小さく引き締まります。
こういう場合、一般的には音像が引き締まる逆相接続が正解だと思うのですが、音像が前に出てくるほうが好ましいと思っていたため、あえて正相接続を選んでいました。しかし、鳴らし込みによりローライダー18の中低域の質感が高まってきたこともあり、引き締まった音像を得ることができる逆相接続に変更しました。
今回の調整を行ったとき、主な音像が目の高さに現れることに気付きました。正確に言うと耳の高さだと思います。座っていると音像の位置は座っているときの耳の高さに、立ち上がると立ったときの耳の高さになるようです。水平線は常に目の高さと同じ位置に見えます。音像の位置も同じことのようです。2360Aの垂直方向の指向性が優れているためなのか、音離れが良好なためなのか、それともスピーカーユニットの高さに音像が出現すると思い込んでいたためなのか、これまで全く気付きませんでした。
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