2013/03/24
2013/03/19
DIY Speaker (66)
ホーンの裏面にガラスマットを貼り付ける第1回目の作業をしました。
2時間ぐらいの作業。
作業内容はDIY Speaker (45)と同じです。
JBL M2 Master Reference Monitorのスロート部分の形状が気になっています。
特許出願中とのことで詳細が分からない。
そうなると妄想が膨らみます。
水色のエッジ部分がホーンの軸方向の回折、そして黄色いエッジ部分がホーンの側方への回折を行っているのではないかと…
一般の角型ホーンの場合、正面から見たカバーエリアは楕円形になります。
下のグラフは、JBL 2365Aの正面から見たカバーエリアの等音線のグラフです。
M2のホーンでは、これが楕円形ではなく幅広の長方形に近い形状になるように角部をえぐり、且つ、黄色いエッジ部分によって、そうした方向への放射を回折効果によりスムーズに行おうとしているのではないかと…
ウェーブガイドホーンの論者は回折部分について否定的な見解を持っていますが、どうやらJBLは回折効果については未だに肯定的に考え、その改良を続けているように思います。
諦めるのはまだ早いと考えているのでは。
しかし、だれもコメントを書き込まないのだが…
何故、M2なのかというつっこみ。
これを待っていたのに。
"M1"でも良さそうなものだが。
驚天動地のM1が控えているのだろうか?
K2と数字を合わせたというのでは、ココロザシが低いような。
もしM1が出現しないならこれは自作しかないか…
2時間ぐらいの作業。
作業内容はDIY Speaker (45)と同じです。
JBL M2 Master Reference Monitorのスロート部分の形状が気になっています。
特許出願中とのことで詳細が分からない。
そうなると妄想が膨らみます。
水色のエッジ部分がホーンの軸方向の回折、そして黄色いエッジ部分がホーンの側方への回折を行っているのではないかと…
一般の角型ホーンの場合、正面から見たカバーエリアは楕円形になります。
下のグラフは、JBL 2365Aの正面から見たカバーエリアの等音線のグラフです。
M2のホーンでは、これが楕円形ではなく幅広の長方形に近い形状になるように角部をえぐり、且つ、黄色いエッジ部分によって、そうした方向への放射を回折効果によりスムーズに行おうとしているのではないかと…
ウェーブガイドホーンの論者は回折部分について否定的な見解を持っていますが、どうやらJBLは回折効果については未だに肯定的に考え、その改良を続けているように思います。
諦めるのはまだ早いと考えているのでは。
しかし、だれもコメントを書き込まないのだが…
何故、M2なのかというつっこみ。
これを待っていたのに。
"M1"でも良さそうなものだが。
驚天動地のM1が控えているのだろうか?
K2と数字を合わせたというのでは、ココロザシが低いような。
もしM1が出現しないならこれは自作しかないか…
2013/03/11
JBL M2 Master Reference Monitor
2013年1月24日、JBLからM2 Master Reference Monitorが発表されました。
この手の大型スタジオモニタースピーカーは、DMS-1以来だと思います。
DMS-1のパンフレットの日付を見てみると97年5月ですので、何と16年ぶりになります。
また、M2のユニット構成は15インチ2ウェイであり、これは4320を彷彿させます。
JBLスタジオモニター復権の狼煙になるか!
駆動するアンプはCrown iTech 5000HD。
BSS OMNIDRIVEHD processing engineを搭載した1250W+1250Wのハイパワーアンプです。
マルチアンプドライブになるため、1台のM2に1台の5000HDが必要になります。
コンプレッションドライバーはD2430Kです。
非常に興味深いDual Diaphragm/Dual Voicecoilのドライバー。
D2430Kの構造の米国特許はUS8280091です。
この特許公報からは、開発中のスナウト部分のイコライザは075のようなエクスポネンシャル型だったということが伺えます。
発明者はAlexander Voishvilloさん。
BMSドライバーの構造の米国特許はUS5878148。
発明者はSvetlomir Alexandrovさん。
さらに、JBL 2431Hの設計者はAlex Salvattiさん。
ということで、なんと"Alex"さんつながりになっちゃう。
うふん、面白い… と思ったあなたは変態です。
どうしてここで2431Hが出てくるかというと、M2のパンフレットにこんな文章が掲載されているから。
"Instead of the large and heavy metal dome diaphragm of a conventional compression driver, the D2430K uses two annular low-mass polymer diaphragms offering the same radiating area as a conventional 3-inch dome.
Two separate 3-inch voice coils driven by their own magnet structures share the burden of heat transfer, resulting in a dramatic increase of output and power handling."
「D2430Kの2つのボイスコイルは3インチ径であり、またその2つの環状ダイアフラムを合わせた放射面積は、一般的な3インチ径のドーム型ダイアフラムと同等の放射面積があります。」というような内容。
ということで、D2430Kは2431Hクラスのドライバーの性能を劇的に向上させたものである、という位置付けが理解できると思います。
15インチシングルウーファーに3インチぐらいのダイアフラムのコンプレッションドライバーによる2ウェイ。
これ、2ウェイスピーカーにおける黄金の組合せだと思っているんだ。
さて、その15インチウーファーは2216Nd。
なかなかハンサムなユニットです。
サスペンション(ダンパー)がシングルっていうのも好ましい。
JBLの15インチ径のDifferential Drive Wooferとしては、昨年2267Hが出現しました。
ボイスコイルは4インチ径であり、ピーク8kWという世界最強の15インチユニット。
しかしそうではなく、M2では3インチボイスコイルの2216Ndを選択したと。
もっとも、この2216Nd、ヤワなユニットではない。
M2のパンフレットには"123dB maximum SPL"と表示されているので、ご家庭での使用では全く問題ないでしょう。
ところで2216Ndは、民生用のS4700(下の画像)にも使用されています。
M2と比べてみると箱の大きさが違う。
M2はW508xH1256xD356、S4700はW500xH1068xD371。
M2はミキシングコンソール(Mixing Console)の向こう側のフロアに設置するため、高さが高くなっていることが分かります。
その分、箱の容積も増えている。
2216Ndの素性はというと…
Fs 36Hz
DCR 5Ω
Qts 0.44
Mms 135g
Bl 18.9
SPL 95dB
Sd 0.0907m2
これは180Lぐらいの大きめのバスレフ箱に向いているユニットです。
ところで2216Ndの設計者はJerry Moroさん。
S9800のウーファーユニット、1500ALもJerry Moroさんの設計。
調べてみるとMmsが135g。
改良版の1501ALは145g、1501AL-1は137g、1501AL-2は135g。
う~ん、135gというのはJerry Moroさんの好みなのかもしれない。
古いユニットで比較してみると2234Hが104gでマスコントロールリングの付いた2235Hが155g。
それらの中間的な重さということ。
135gというのはちょうどいい数値かもしれない。
M2はバスレフポートにも一工夫あるようです。
その構造は米国特許US7890312によるもの。
発明者はAllan Devantierさんと、Zachary Rapoportさん。
M2の低域特性は非常に良好であり、30Hzでも-3dB程度です。
いつも思うのだけれど、このM2程度の大きさの2ウェイで、サブウーファーなしでも十分な低音再生能力があるというのが、まともなスピーカーシステムではないかと。
ま、だから黄色いホーンシステムのようなスピーカーシステムもその異常さ故に存在理由あり、ということになる訳ですが…
最後はお待ちかねのホーン。
Image Control Waveguide Horn。
特許出願中とのことです。
水平指向性は120°、垂直指向性は100°。
広い指向性を持たせるとホーンの開口寸法が小さくてもより低域側からパターンコントロールが可能になります。
クロスは800Hz。
う~ん、なんだか凄い形状です。
ホーン理論はどんどん先に進んでいるようです。
まいったな…
この手の大型スタジオモニタースピーカーは、DMS-1以来だと思います。
DMS-1のパンフレットの日付を見てみると97年5月ですので、何と16年ぶりになります。
また、M2のユニット構成は15インチ2ウェイであり、これは4320を彷彿させます。
JBLスタジオモニター復権の狼煙になるか!
駆動するアンプはCrown iTech 5000HD。
BSS OMNIDRIVEHD processing engineを搭載した1250W+1250Wのハイパワーアンプです。
マルチアンプドライブになるため、1台のM2に1台の5000HDが必要になります。
コンプレッションドライバーはD2430Kです。
非常に興味深いDual Diaphragm/Dual Voicecoilのドライバー。
D2430Kの構造の米国特許はUS8280091です。
この特許公報からは、開発中のスナウト部分のイコライザは075のようなエクスポネンシャル型だったということが伺えます。
発明者はAlexander Voishvilloさん。
BMSドライバーの構造の米国特許はUS5878148。
発明者はSvetlomir Alexandrovさん。
さらに、JBL 2431Hの設計者はAlex Salvattiさん。
ということで、なんと"Alex"さんつながりになっちゃう。
うふん、面白い… と思ったあなたは変態です。
どうしてここで2431Hが出てくるかというと、M2のパンフレットにこんな文章が掲載されているから。
"Instead of the large and heavy metal dome diaphragm of a conventional compression driver, the D2430K uses two annular low-mass polymer diaphragms offering the same radiating area as a conventional 3-inch dome.
Two separate 3-inch voice coils driven by their own magnet structures share the burden of heat transfer, resulting in a dramatic increase of output and power handling."
「D2430Kの2つのボイスコイルは3インチ径であり、またその2つの環状ダイアフラムを合わせた放射面積は、一般的な3インチ径のドーム型ダイアフラムと同等の放射面積があります。」というような内容。
ということで、D2430Kは2431Hクラスのドライバーの性能を劇的に向上させたものである、という位置付けが理解できると思います。
15インチシングルウーファーに3インチぐらいのダイアフラムのコンプレッションドライバーによる2ウェイ。
これ、2ウェイスピーカーにおける黄金の組合せだと思っているんだ。
さて、その15インチウーファーは2216Nd。
なかなかハンサムなユニットです。
サスペンション(ダンパー)がシングルっていうのも好ましい。
JBLの15インチ径のDifferential Drive Wooferとしては、昨年2267Hが出現しました。
ボイスコイルは4インチ径であり、ピーク8kWという世界最強の15インチユニット。
しかしそうではなく、M2では3インチボイスコイルの2216Ndを選択したと。
もっとも、この2216Nd、ヤワなユニットではない。
M2のパンフレットには"123dB maximum SPL"と表示されているので、ご家庭での使用では全く問題ないでしょう。
ところで2216Ndは、民生用のS4700(下の画像)にも使用されています。
M2と比べてみると箱の大きさが違う。
M2はW508xH1256xD356、S4700はW500xH1068xD371。
M2はミキシングコンソール(Mixing Console)の向こう側のフロアに設置するため、高さが高くなっていることが分かります。
その分、箱の容積も増えている。
2216Ndの素性はというと…
Fs 36Hz
DCR 5Ω
Qts 0.44
Mms 135g
Bl 18.9
SPL 95dB
Sd 0.0907m2
これは180Lぐらいの大きめのバスレフ箱に向いているユニットです。
ところで2216Ndの設計者はJerry Moroさん。
S9800のウーファーユニット、1500ALもJerry Moroさんの設計。
調べてみるとMmsが135g。
改良版の1501ALは145g、1501AL-1は137g、1501AL-2は135g。
う~ん、135gというのはJerry Moroさんの好みなのかもしれない。
古いユニットで比較してみると2234Hが104gでマスコントロールリングの付いた2235Hが155g。
それらの中間的な重さということ。
135gというのはちょうどいい数値かもしれない。
M2はバスレフポートにも一工夫あるようです。
その構造は米国特許US7890312によるもの。
発明者はAllan Devantierさんと、Zachary Rapoportさん。
M2の低域特性は非常に良好であり、30Hzでも-3dB程度です。
いつも思うのだけれど、このM2程度の大きさの2ウェイで、サブウーファーなしでも十分な低音再生能力があるというのが、まともなスピーカーシステムではないかと。
ま、だから黄色いホーンシステムのようなスピーカーシステムもその異常さ故に存在理由あり、ということになる訳ですが…
最後はお待ちかねのホーン。
Image Control Waveguide Horn。
特許出願中とのことです。
水平指向性は120°、垂直指向性は100°。
広い指向性を持たせるとホーンの開口寸法が小さくてもより低域側からパターンコントロールが可能になります。
クロスは800Hz。
う~ん、なんだか凄い形状です。
ホーン理論はどんどん先に進んでいるようです。
まいったな…
2013/03/08
DIY Speaker (65)
三寒四温。
突然20℃を超えたので、もう一方のミッドベースホーンの表面に樹脂を塗りました。
風が強くて樹脂の臭いが停滞しないのは良かったのですが、木の葉が付着してしまい残念なお姿に。
ハイホーンのスロート部はフリースを引っ張りすぎて大きな隙間が。
こちらも残念。
以前のDIY Speakerの記事は、下に表示されている"ラベル: DIY Speaker"か、ここをクリックしてください。
先日、YouTubeのDIY Linear Tracking Tonearmの動画の来訪者数を久々に見てみると…
国別だと1位はアメリカです。ありがとうございます。
日本の2倍の再生回数となっています。
というわけで、Sさん、ご質問の件は以上のような分析結果から分かるのですよ。
ブロガーのブログでも、国別のほかブラウザ別の分析結果も出ます。
なかなか面白いですよ。
Sさんもブログを始めてみませんか?
突然20℃を超えたので、もう一方のミッドベースホーンの表面に樹脂を塗りました。
風が強くて樹脂の臭いが停滞しないのは良かったのですが、木の葉が付着してしまい残念なお姿に。
ハイホーンのスロート部はフリースを引っ張りすぎて大きな隙間が。
こちらも残念。
以前のDIY Speakerの記事は、下に表示されている"ラベル: DIY Speaker"か、ここをクリックしてください。
先日、YouTubeのDIY Linear Tracking Tonearmの動画の来訪者数を久々に見てみると…
国別だと1位はアメリカです。ありがとうございます。
日本の2倍の再生回数となっています。
というわけで、Sさん、ご質問の件は以上のような分析結果から分かるのですよ。
ブロガーのブログでも、国別のほかブラウザ別の分析結果も出ます。
なかなか面白いですよ。
Sさんもブログを始めてみませんか?
2013/03/05
JBL 2332 and 2352 (16)
1975年3月に発表されたDON.B.KEELE,JR.(ドン キール ジュニア)氏の論文「WHAT'S SO SACRED ABOUT EXPONENTIAL HORNS? (どうしてそんなにエクスポネンシャルホーンを崇め奉るの?)」の19頁に、以下のような表が掲載されています。
この表は、周波数fIと、ホーンの寸法の関係を示しています。
右側のY軸はメートル単位、左側のはインチ単位です。
なお、表の左側にある公式は、例の定指向性ホーンの限界周波数を定めるものです。
周波数fIは、"Intercept frequency(遮断周波数)"であり、これは定指向性ホーンが所定のパターンコントロール角度を維持できる低域側の限界周波数(the lower cutoff frequency for pattern control)のことです。
何度も申し上げますが、この遮断周波数とか限界周波数という概念はエクスポネンシャルホーン等のカットオフ周波数とは異なります。
この表は、パターンコントロール角度が小さくなるほど、ホーンの寸法(水平指向性の場>合はホーンの横幅寸法、垂直指向性の場合はホーンの高さ寸法)が急激に大きくなることを示しています。
80°の場合、200Hzまで定指向性を確保しようとすると、ホーンの寸法は1.56mになります。
一方、40°の場合、200Hzまで確保しようとすると、3.12mもの大きさになります。
2352のような定指向性ホーンが、単なるラジアルホーンと比べて、高さ方向の寸法が大きく採られている理由がこれです。
以前、パターン角度を比較した上図のようなウェーブガイドホーンの作図を行ったとき、指向性の狭いホーンのスロート部分の広がり方が緩やかなのが印象に残っています。
指向性が狭いホーンは、デリケートな音波を丁寧に広げてゆき、長い長い助走距離をつけて飛ばしてやる、というイメージでしょうか。
定指向性ホーンで、例えばWE 15Aホーン並のカットオフ周波数を持たせるとどの程度の大きさになるか計算してみましょう。
15Aホーンがギブアップする70Hzまで完璧なパターンコントロールを実現するためには、指向性が80°の定指向性ホーンの場合、ホーン開口の幅、高さが共に4.46m必要になります。
上の図は、グレーのが15Aで大きいのが定指向性ホーンです。
35Hzなら2倍の9m、18Hzなら4倍の18mになります。
定指向性ホーンの低音ホーンは実現不可能、と書いた理由はこれです。
Sさんが、DIY MR94の製作過程の幾つかの画像を追加して送ってくれました。
組立工程がより詳しく理解できます。
こちらをご覧下さい。
Sさん、追加画像を送っていただき、ありがとうございました。
この表は、周波数fIと、ホーンの寸法の関係を示しています。
右側のY軸はメートル単位、左側のはインチ単位です。
なお、表の左側にある公式は、例の定指向性ホーンの限界周波数を定めるものです。
周波数fIは、"Intercept frequency(遮断周波数)"であり、これは定指向性ホーンが所定のパターンコントロール角度を維持できる低域側の限界周波数(the lower cutoff frequency for pattern control)のことです。
何度も申し上げますが、この遮断周波数とか限界周波数という概念はエクスポネンシャルホーン等のカットオフ周波数とは異なります。
この表は、パターンコントロール角度が小さくなるほど、ホーンの寸法(水平指向性の場>合はホーンの横幅寸法、垂直指向性の場合はホーンの高さ寸法)が急激に大きくなることを示しています。
80°の場合、200Hzまで定指向性を確保しようとすると、ホーンの寸法は1.56mになります。
一方、40°の場合、200Hzまで確保しようとすると、3.12mもの大きさになります。
2352のような定指向性ホーンが、単なるラジアルホーンと比べて、高さ方向の寸法が大きく採られている理由がこれです。
以前、パターン角度を比較した上図のようなウェーブガイドホーンの作図を行ったとき、指向性の狭いホーンのスロート部分の広がり方が緩やかなのが印象に残っています。
指向性が狭いホーンは、デリケートな音波を丁寧に広げてゆき、長い長い助走距離をつけて飛ばしてやる、というイメージでしょうか。
定指向性ホーンで、例えばWE 15Aホーン並のカットオフ周波数を持たせるとどの程度の大きさになるか計算してみましょう。
15Aホーンがギブアップする70Hzまで完璧なパターンコントロールを実現するためには、指向性が80°の定指向性ホーンの場合、ホーン開口の幅、高さが共に4.46m必要になります。
上の図は、グレーのが15Aで大きいのが定指向性ホーンです。
35Hzなら2倍の9m、18Hzなら4倍の18mになります。
定指向性ホーンの低音ホーンは実現不可能、と書いた理由はこれです。
Sさんが、DIY MR94の製作過程の幾つかの画像を追加して送ってくれました。
組立工程がより詳しく理解できます。
こちらをご覧下さい。
Sさん、追加画像を送っていただき、ありがとうございました。
2013/03/03
JBL 2332 and 2352 (15)
定指向性ホーンにおけるパターンコントロールの最低カットオフ周波数(the lower cutoff frequency for pattern control)について、JBLの"Audio Engineering for Sound reinforcement"の137ページには、こんな解説があります。
「一般的な定指向性ホーンは、図11-6に示すような特性を持っている。
-6dBのカバー角度は、低域側のある周波数において狭くなる。
この周波数は、垂直方向においてはホーンの高さ寸法、水平方向においてはホーンの幅寸法によって決定される。
前記の周波数以下では、回折ホーンのようにカバー角度が増大し、周波数が半減する度に2倍になる。
この回折ホーンのようなカバー角度を示す帯域のすぐ上の周波数帯域において、カバー角度はわずかに狭くなる(図11-6の"Depended on horn mouth width"で示されている周波数域)。」
限界周波数以下においては、周波数が半減する度にカバー角度が2倍になる、というのが興味深いです。
定指向性ホーンが使いやすい理由の一つとして、低域側の特性の変化が穏やかであることがあげられます。
低域になるにつれて徐々にカバー角度がブロードになってゆくために、ダイレクトラジエターのウーファーと組合わせても違和感がないからです。
エクスポネンシャルホーン、ハイパボリック、トラクトリックス等においては、カットオフ周波数以下ではホーンが全く働かず、ホーンとしての性質が急激に失われてしまいます。
即ち、定指向性ホーンのようにホーンの性質を徐々に失ってゆくという中間領域を持ちません。
このため、中高域を受持つエクスポネンシャルホーン等にダイレクトラジエターのウーファーを組合わせると、「下とつながらない」という現象が発生します。
「下」とはダイレクトラジエターのウーファーのことです。
ホーン+コンプレッションドライバーと、ダイレクトラジエターのウーファーの指向性が大幅に異なるために、高域側と低域側の性質がちぐはぐであり、違和感を生じてしまうのです。
この解決法としては、ウーファーの最低域をカットして音を軽くする、あるいは、低域側もエクスポネンシャルホーンにするという方法があります。
ウーファーの最低域をカットするとクラシックは聴けなくなるため、正攻法で行くなら低音用エクスポネンシャルホーンと組合わせることが必要になります。
ちなみに、定指向性ホーンで低音ホーンを製作すると、これはエクスポネンシャルホーン等とは比較にならないほどの巨大なホーンになってしまうため、実現不可能であると思います。
定指向性ホーンの高域側の限界周波数については、以下のような説明があります。
「パターンコントロールの高域側の限界は、ホーン取付部におけるコンプレッションドライバーのスロート口や、ホーンの回折部であるスロット(ギャップ)の幅によって決定される。
スロート口やスロット寸法が大きくなれば、高域側の限界周波数は低くなってしまう。」
図11-6の"Dependent on driver exit diameter"で示されている周波数です。
定指向性ホーンの高域側のカットオフ周波数と言えます。
水平指向性の高域側の限界周波数を定めるスリットの幅は、2360のような2ウェイ用ホーンの場合、2cm程度です。
垂直指向性の高域側の限界周波数は、スロート口の直径になるので、これはドライバーの選択によって決定されます。
例外的に、ALTEC MR94では、スロート口の垂直方向が狭められています。
これが高域側の限界周波数を高めるためなのか、それともパターンコントロールのためなのかは、謎です。
なお、高域側の限界周波数のすぐ下の周波数帯域において指向性がブロードになる傾向が見られるのですが、この点についての説明はありません。
残念です。
以上の説明から、定指向性ホーンには垂直方向の低域側と高域側、水平方向の低域側と高域側のそれぞれ4つのカットオフ周波数が存在することが理解できたと思います。
ええっと、(14)で説明したように、このカットオフ周波数は、エクスポネンシャルホーン等のカットオフ周波数とは異なる概念なので誤解なきよう。
これが理解できると、定指向性ホーンを自作する場合、スリットの幅と低域側の限界周波数を決めてしまうと、おおむね設計できることが分かると思います。
「一般的な定指向性ホーンは、図11-6に示すような特性を持っている。
-6dBのカバー角度は、低域側のある周波数において狭くなる。
この周波数は、垂直方向においてはホーンの高さ寸法、水平方向においてはホーンの幅寸法によって決定される。
前記の周波数以下では、回折ホーンのようにカバー角度が増大し、周波数が半減する度に2倍になる。
この回折ホーンのようなカバー角度を示す帯域のすぐ上の周波数帯域において、カバー角度はわずかに狭くなる(図11-6の"Depended on horn mouth width"で示されている周波数域)。」
限界周波数以下においては、周波数が半減する度にカバー角度が2倍になる、というのが興味深いです。
定指向性ホーンが使いやすい理由の一つとして、低域側の特性の変化が穏やかであることがあげられます。
低域になるにつれて徐々にカバー角度がブロードになってゆくために、ダイレクトラジエターのウーファーと組合わせても違和感がないからです。
エクスポネンシャルホーン、ハイパボリック、トラクトリックス等においては、カットオフ周波数以下ではホーンが全く働かず、ホーンとしての性質が急激に失われてしまいます。
即ち、定指向性ホーンのようにホーンの性質を徐々に失ってゆくという中間領域を持ちません。
このため、中高域を受持つエクスポネンシャルホーン等にダイレクトラジエターのウーファーを組合わせると、「下とつながらない」という現象が発生します。
「下」とはダイレクトラジエターのウーファーのことです。
ホーン+コンプレッションドライバーと、ダイレクトラジエターのウーファーの指向性が大幅に異なるために、高域側と低域側の性質がちぐはぐであり、違和感を生じてしまうのです。
この解決法としては、ウーファーの最低域をカットして音を軽くする、あるいは、低域側もエクスポネンシャルホーンにするという方法があります。
ウーファーの最低域をカットするとクラシックは聴けなくなるため、正攻法で行くなら低音用エクスポネンシャルホーンと組合わせることが必要になります。
ちなみに、定指向性ホーンで低音ホーンを製作すると、これはエクスポネンシャルホーン等とは比較にならないほどの巨大なホーンになってしまうため、実現不可能であると思います。
定指向性ホーンの高域側の限界周波数については、以下のような説明があります。
「パターンコントロールの高域側の限界は、ホーン取付部におけるコンプレッションドライバーのスロート口や、ホーンの回折部であるスロット(ギャップ)の幅によって決定される。
スロート口やスロット寸法が大きくなれば、高域側の限界周波数は低くなってしまう。」
図11-6の"Dependent on driver exit diameter"で示されている周波数です。
定指向性ホーンの高域側のカットオフ周波数と言えます。
水平指向性の高域側の限界周波数を定めるスリットの幅は、2360のような2ウェイ用ホーンの場合、2cm程度です。
垂直指向性の高域側の限界周波数は、スロート口の直径になるので、これはドライバーの選択によって決定されます。
例外的に、ALTEC MR94では、スロート口の垂直方向が狭められています。
これが高域側の限界周波数を高めるためなのか、それともパターンコントロールのためなのかは、謎です。
なお、高域側の限界周波数のすぐ下の周波数帯域において指向性がブロードになる傾向が見られるのですが、この点についての説明はありません。
残念です。
以上の説明から、定指向性ホーンには垂直方向の低域側と高域側、水平方向の低域側と高域側のそれぞれ4つのカットオフ周波数が存在することが理解できたと思います。
ええっと、(14)で説明したように、このカットオフ周波数は、エクスポネンシャルホーン等のカットオフ周波数とは異なる概念なので誤解なきよう。
これが理解できると、定指向性ホーンを自作する場合、スリットの幅と低域側の限界周波数を決めてしまうと、おおむね設計できることが分かると思います。
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