ラージモニターは録音スタジオのミキサー室の壁面に埋め込まれている。
何をするためのスピーカーかというと、録音ブースでマイクがひろった生音をそのまま再生するためにある。
とりあえず、それが主目的である。
壁面に埋め込まれている理由は、デカくて邪魔になるとか、エンジニアが足を引っかけて転倒するのを防止するため、ではない。
スピーカーのバッフル面を壁で囲い、スピーカーの背面側に音が回り込まないようするためである。
スピーカーの背面に回り込んだ音がさらに前面に割り込んできて、スピーカーユニットから直接放射された音波に干渉しないようにするためである。
間接音で音が濁らないようにしている訳だ。
ミキサー室はライブじゃなくてデッドな環境であり、また、比較的狭く設計されている。
残響時間が長くなるを避けるためである。
また、ラージモニターが配置されている壁面はミキサー卓のすぐ向こう側にある。
スピーカーのサイズやモニター時の音量を勘案すると、信じられないぐらいニアフィールドの配置となっているのである。
要するにラージモニターの再生音が、間接音に邪魔されず正確に聴き取ることができるように、全ての環境が整えられているのである。
間接音の多い環境では変化による差異が分かりづらくなり、音の選択に自信が持てなくなる。
プロアマを問わず、オーディオの基本にかかわることである。
0 件のコメント:
コメントを投稿