2019/11/05

JBL 4315 Studio Monitor



グレッグティンバース氏のDIYスピーカーシステムについては以前触れました
これはL250以降に製作されたシステムだと思います。
15インチウーファーに12インチのミッドベースの組み合わせ。
帯域分割について最低域と中低域の分離にはっきりした意識を持っていると、口径が近いものでも組み合わせることができます。
達人のなせる業。





このDIYシステムはマルチアンプ駆動です。
70HzでクロスさせていたL212は、若き日のグレッグ氏がそういう意味では本音で作ったシステムだったのだと思っています。
現在のグレッグ氏は、先のインタビュー記事によるとフルマルチアンプ駆動のDD67000を使用しているようです。
こうしてみると、8インチミッドベースの4315とL212とL250、10インチの4345、12インチのDIYシステム、そして変則的ではありますが15インチのDD67000と、ミッドベースに関してはすべての口径を試したことになります。

どの口径が適切だったのかは、グレッグ氏にきいてみたいような気がしますが、これは難しい質問だと思います。
マーケティングを考慮に入れるなら、例えば、18インチのシングルウーファー部や15インチダブルのウーファー部なら、12インチになるのでしょう。
そうしたウーファー部を望む人々は、そもそも低音の存在感を重視しているからです。

そうではなく、本音だと8インチになるのかな。
でも、10インチで2108のような70Hzぐらいまで使えるウーファー的要素も兼ね備えた強力なミッドベースは、比較的最近の2261H(FF)までなかったので、これは試しようがなかったのかもしれません。
それから2020Hというミッドベース専用の12インチもありました。
これなんかも面白そうなユニットだと思っています。
ユニットの口径と特性、そして、クロスーバー周波数、この2つの要素だけでもスピーカーシステムを構築する上での悩みというか闇?の深さは大変なものです。






2019/11/02

JBL 4315 Studio Monitor



グレッグティンバース氏の4345についてのコメントを読んでみると、市販のスピーカーシステムの開発は大変だなぁと思います。
最大のネックはパッシブクロスオーバーを使用して大口径ユニットをまとめるという点でしょう。
そうするとクロスオーバー周波数はせいぜい300Hzまでしか落とせません。
そうすると問題になるのがミッドベースユニットの性格を300Hz以上に絞って開発してしまうこと。
2122Hから2123Hにアップグレードした時に、その傾向が強くなります。

2360Aなどのラージフォーマットホーンと付き合っていると、100Hz以上300Hz未満をどうするか、という問題に突き当たります。
この帯域のみを再生すると、かすれたような歪っぽい音しかしませんが、この帯域が15インチから出ているか、それとも10インチから出ているかで、かなり違うのです。
10インチという口径が持つ明瞭さは、PAの世界で少しづつ広がっていきます。
JBL Professionalでは、キャバレーシリーズの10インチ4発という形で現れたのが最初ではなかったと思っています。





10インチという魅力のない、意味のない、ステルス性能抜群のこの口径は、その本当の姿をJBL大型モニターシリーズでも知ることができませんでした。
マルチアンプ用のスイッチを切り替えても 、バックチャンバーの容積が小さすぎて100Hzぐらいのクロスを試すことはとても無理です。