パイオニアCS900で連想するのは、PAX-A30だ。
共通点は30cmとマルチセルラ、差異点はミッドの有無といったところだ。
この同軸ユニットは、立派なフレームを備えており、ルックスの良いユニットだった。
しかも安価で音が良く人気があった。
秋葉原の万世橋付近には、スピーカーユニットの専門店の他にスピーカーボックス(エンクロージャー)の専門店もあった。
主にパイオニアなどのメーカーの推奨箱が、おそらくは家具屋の製作だとは思うが、そのまま販売されていた。
今では想像することすら難しいとは思うが、ともかく無数の大きな箱が隙間なくそして段積みされ、倉庫のような薄暗い店舗を埋め尽くしていた。
物品税の関係で、完成品であるスピーカーシステムを購入するよりも、スピーカーユニットとエンクロージャーを別々に購入することがそれほど珍しいことではなかった。
このため、売れ筋のPAX-A30用の推薦箱はもちろん、PAXシリーズやPWシリーズ用の箱、それからJBL D130などの著名なスピーカーユニット用の箱なども売られていた。