2015/12/20

Pluto



今年、もっとも印象に残った出来事は冥王星の鮮明な画像を見ることができたことです。
天体望遠鏡で惑星を見るのは大変にむずかしいのです。
星雲の方がはるかに綺麗に見えます。
ハッブル宇宙望遠鏡が正常に機能し始めたとき、もしかしたら冥王星が綺麗に見えるのではないかと思っていました。
しかし、そのハッブルの冥王星の当初の画像はこんなものでした。




う~む、これでは何も分からない。
がっかりしたのを覚えています。
そして、生きている間に冥王星がどんな惑星なのか知ることはなかろうと思うようになりました。

天王星と海王星は、ボイジャー2号による画像があるので、ガスのぶ厚い大気を持つ木星のような惑星であることが分かっています。
だから、冥王星もそうした惑星ではないかと想像していました。

やがて冥王星に向かって探査機が打ち上げられたことを知ります。
冥王星の軌道は傾いており、海王星のそれよりも太陽に近くなることがあります。
wikiによると1979年から1999年がそうだったそうです。
どうしてボイジャー2号のときに立ち寄らなかったのだろうと思いますが、そのときは無理だったのでしょう。

というわけで、冥王星はそんなに遠くない位置にあるはずだから、これは到着できるだろうとは思いましたが、「暗くってよく分かんなかったよ」なんてお話にならなければいいなと思っていました。
どの程度接近するのであろうか、ということを調べたのは、冥王星にかなり接近してからのことでした。
冥王星の地表から12,500km上空をかすめたのだそうですから、これは十分な近さです。
月は38万km離れていますが、 安価な天体望遠鏡でも綺麗に見えるのでこれは相当綺麗な画像が見られるなと楽しみにしていました。




そしてこれですもの。
驚きました。
おお、地面がある!

その後、詳細な画像が送られてきて、水の氷や薄い大気もあることが分かりました。
そうした画像を見て、冷涼ではありますが、とても美しく清らかな惑星だと思いました。
惑星やその衛星を沢山見てきましたが、こんな印象を持ったのは初めてです。
ついに冥王星を見ることができた、これが2015年の最大のイベントでした。
めでたし、めでたし。




2015/12/11

Cauldon Cup and Saucer



コウルドンのティーカップをヤフーオークションで入手しました。
"CAULDON England"の表記があり、この表記から1905年から1920年の間に製造されたことが分かるそうです。






カップの直径は102mm、高さは58mm。
容量は160ccぐらい。






ハンドルは長く優美です。
ハンドル上部の付け根は二股に分かれています。






ソーサーの直径は147mm。




プレートの直径は222mmです。







2015/12/06

YAMAHA XSR700



おおっ、フロントフォークが黒いっ!









youtubeで見ていると、このエンジン、粘りますね。
それからよく回る。
最近のツインってみんなこうなのかな。
凄いです。
サスペンションもしなやかなのに腰があるみたい。

ロードタイプのTX650も乗ったことがあるんだけれど、普通に使うならこんなんで十分だなぁと思ってしまった自分がいた。
しかし、ちょっとがんばろうとすると、フレームも足回りもブレーキも全部ダメ。
特にフレームだけは全然許せないもんね。
こんなのが"faster"ですかねぇ。

しかし、XSR700、これなら大丈夫なような気がします。
乗ってみたいなぁ。







タイヤが太いから、車体を傾けても接地ポイントがどんどん内側にずれていくだけで旋回力は高まらない。
こういうバイクはコーナー手前でしっかり減速。
後輪にどーんと荷重を与えて、ツイン特有の息の長い加速を楽しみながらコーナーを脱出。
こういうやり方ならそんなに傾けなくても十分に旋回力を高められる。
そして、フロント側に余裕があるから、路面が荒れていようが、濡れていようが、砂が浮いていようが、へっちゃらだもんね。
スキーの上級者はオーバーアクションではないでしょう。
それと同じ。








いやぁ、しかしこれ、迷うなぁ。
黄色もいいけど、緑もいいし、銀色もいい。
まあ、中古になっておもとめやすくなるまで時間はたっぷりあるからゆっくり考えるとしますか。










2015/12/01

YAMAHA XSR900





















TZ750のエンジンを搭載したダートトラックレーサーそのものなのかな?
なんとなく雰囲気が弱いというか変な感じがする…



1973、1974年とケニーロバーツはAMAグランドナショナルチャンピオンシップを獲得する。
時代背景を説明すると、このころの米国ではロードレースよりもダートトラックレースの方が圧倒的に人気があった。
当時のロードレースってリーンウィズでコーナリングしていたから、ダートトラックのようなテールスライドの派手さがなくて米国ではうけなかったのだ。

話を戻すと、このころのケニーのマシンはXS650のエンジンを利用したものだった。
たしか750ccにスープアップしていたように思うけどどうだったけかな。
画像は以前掲載したこちらを見てね。
しかし、このエンジンではハーレーのXR750に太刀打ちできるものではなかったのだよ。
ハーレーのエンジンはVツイン特有の不等間爆発を特徴としており、この特性がダートトラックレースにおいて優れたエンジングリップを発揮するからだ。

エンジングリップなんて聞きなれない言葉だと思うけど、ダートにおいてトラクション(蒸気機関車の動輪が動き出すとき、空回りしながら車両を動かす瞬間の状態をいう。要するに見た目はスリップしているんだけど、前進させている状態のこと。)を稼ぎやすいかどうかということだ。
ハイパワーの4気筒エンジンでは4つの気筒が順に爆発してゆくのでトルク変動がほとんどない。
要するに電気モーターのような感じ。
こんなエンジンをダートに持ち込むと、簡単にスリップしてしまいタイヤの回転が前進する力に変換されないのだ。

ところがハーレーのエンジンなら、2気筒の爆発が連続して行われた後、次の連続爆発までの間、トルクが低下した状態になる。
この大きなトルク変動が、ダートにおいては"蹴立てる"ような状態を生み、タイヤの回転が前進する力に変換されやすいのだ。
その上、こういう特性はコーナーリング中のスロットル操作を容易にする。
おお、お勉強になるねぇ。

ま、しかしXS650Specialに乗っていたからよく知っているのだけど、このヤマハのエンジンだってなかなかよかった。
雨中のパワースライドが容易だったし、エンジンの重心が低いのもよかったのか安心して遊べた。
うまくいくと実に綺麗にカウンターがあたるのだよ。
スロットルの開閉に安心感があるマシンは楽しめる。



YAMAHA TZ750  (1974)



1975年のシーズンになって、当時XRに対抗できる4ストロークエンジンを持たなかったYAMAHAはとんでもないものを持ち出してきた。
それがロードレーサーのTZ750のエンジンを使用したダートレーサーってわけさ。

ここからは先のAMAのリンク先を意訳するね。
なお、カッコ()書きのところは、原文にはないよ。

このTZ750のエンジンはその年のラグナセカのロードレースでケニーが使用したもの。
125馬力でXSよりも50馬力増しだったそうな。
2スト4気筒のレーサーだから大排気量と言えどもピーキーなんだろうねぇ。
当然、ケニー以外でこれを乗りこなせる人間などこの世にいない。

ケニーが最初にこのモンスターを試したのはインディアナポリスのレースだった。
グリップさせるのがむずかしかったそうです。
要するにオーバル全周(ストレートを含めてという意味だよ)において、常にスライドしている状態だった。

ストレートエンドで150マイル(240km/h)に達した。
という訳でめちゃめちゃに速かったのだけと、コーナーでのスロットル操作は困難を極めた。
しかし、ケニーは予選を通過し、本戦の6番目のポジションを獲得できた。
これは決して楽ではなかったようで、ケニーは、このとき、自身の経験と能力を全て注ぎ込んだことを認めている。

"In the main," Roberts recalls, "the cushion went right up to the hay bales. After the race, I had baling wire on the bike from bouncing off the bales."
「決戦ではさ、バイクのシートがコーナーの外側に配置してあるクッションへ向かって飛んでゆこうとするもんだから、レースのあとにさ、シートがクッションへ飛んでいかないように自転車紐で車体にシートをくくりつけておかなきゃならなかったよ。」とケニー。

(これね、ケニーって冗談が好きなんだよ。
バイクがコーナーで御し難く、ものすごい遠心力でコーナーの外側に吹っ飛んで行きそうになるのを必死でこらえていたことをこんな風に話すわけ。停車したあとでシートが鳥みたいに勝手に飛んでいくわけないよね。
また、モンスターマシンがコーナーでどちらの方向へすっ飛んでいくか分からなかったため、他のライダーのラインとなるべく交錯しない一番外側のラインを走行していたらしい。
もしかすると、マシンの特性上、外側のラインが速いと考えていたのかもしれないし、ケニーの真意は分からないけど、まあ、こんな風に冗談でごまかしたということなのでしょう。)

こうして大変な苦労をした引き換えに、ケニーはハーレーの3人のライダー、Rex Beauchamp, Corky Keener, Jay Springsteenに肉迫することができた。
そしていよいよファイナルラップ、無我夢中で(いやぁ、そんなことはない、ケニーは計算ずくさ。)、そしてタイヤもほとんど残っていない状態で仕掛けることになる。

コーナーを脱出したときに3番手だったことは分かっていたし、すぐに2番手になれるとも思った。5速ギアに叩き込み、残りの1/4マイルを145マイル(232km/h)で駆け抜けた、とケニーは語った。
そしてケニーはハーレーの3人を打ち負かし勝者となった。

これがこのモンスターの前代未聞のデビューレースになったわけだけれども、モンスターの栄冠はこのレースのみで終わった。ケニーはその後、2つのレースにこのモンスターを持ち込むが、結局、2回ともモンスターでレースをすることを諦め、XSベースのマシンを選択している。
そして、このシーズンの終了後、AMAはこのようなマシンを禁止した。

てな感じです。






…トラクションコントロールねぇ。
なんだろうねぇ…
おい、冗談だろ?

とはいえ、スロットルの開閉に安心感があるマシンは楽しめる、というのは本音だ。
困ったもんだ。

















う~む、カッコいい…






2015/11/30

JBL VTX Series V20 & S25 (8)



V20の"Application Guideline"には、以下のようなシステムが例示されていました。
V20が24、S25が8、S28が12台という構成。
これを4ウェイか5ウェイで駆動すると。
ところで"FOH"って、Front of Houseの略?





S28(下の画像)は2269Hをダブルで搭載したサブウーファーシステムです。
このS28はグランドスタックされており、一方、S25は宙吊り。



サブウーファーシステムの音は、結構違いがありますよね。
15インチと18インチ、同口径だとしてもユニットの性格により音が全然異なります。
それから箱の形式。
ダイレクトラジエターの他、X1のようにロードがかけられているもの。
これも全く違う。

そして、宙吊りと据え置き。
サブウーファーは方向感がないと言われていますが、そうなのかなぁ。
サブウーファーが高い位置にも配置されていると、やっぱり迫力が違う。

様々な個性を持つサブウーファーシステム。
これが楽しい問題なのだ。
上記システムは4ウェイか5ウェイということだけれども、宙吊りのS25と据え置きのS28では、音の傾向がかなり違うでしょう。
2系統のサブウーファーを独立して制御する5ウェイの方がハンドリングが容易だと思います。
マルチアンプで独立制御の2系統サブウーファー、魅力的だなぁ。





…と、書いてしまったものの、V20はMF/HFのネットワークを内蔵。
ネットワーク使用時には4ウェイということだと思います。




2015/11/24

JBL VTX Series V20 & S25 (7)



S25はV20と組合わせるサブウーファーシステムです。
緩やかな角度のV字型バッフルに15インチの2267Hを2発搭載しています。
2267Hは連続最大入力2000Wの超絶最強ユニットですから、ダブルで連続最大入力4kw、ピークでは実に16kwになります。



バスレフの開口部の形状が変わっています。
ダクト長はかなり長いと思われますが、材質は樹脂製なのでしょうか?
スペックシートからはダクトチューニングが32Hz前後であることが読み取れます。





V20とS25を組合わせると4ウェイのフルレンジシステムを構築できます。
38cm、25cm、10cm、ホーン型ツィーターという構成。
でも、4344等とはクロスの考え方がちがいます。
25cmにボイスレンジの下を任せるのか、それともボイスレンジそのものを任せるのか。
ユニットの性格も関係してくる楽しい悩みですね。










2015/11/18

Herend Queen Victoria Tea Pot




ヴィクトリアブーケのティーセットです。
先日サービストレイが加わり、いい雰囲気になりました。
大きいポットが606、小さいポットはヴィクトリアプレーンの608です。
サービストレイは437、2つのクリーマーが649、そしてシュガーポットが472。





見た目のバランスは、下のように606を使う組合せでしょう。






でも、一番出番が多いのはミニポットの608です。
一人のときはいつもこれです。






四人のときはクリーマーを2つ使います。
トレイがあるとミルクが垂れてもテーブルを濡らしません。











2015/11/14

JBL VTX Series V20 & S25 (6)



V20のレスポンスグラフを見てみると、低域側は業務用の10inchとしては伸びており、一方、高域端が以外に伸びていないことが分かります。
バスレフのダクトは10inchウーファーである2つの2261Hの内側にそれぞれ設けられており、分解図を見てみるとダクト長はあまり長くないように見えます。
バスレフの設計をされた方なら分かると思いますが、これらのことからV20の箱の容積が十分以上であることが伺えます。
高域端が伸びていないのは、ローパスフィルターを設定しているからでしょう。





"Beamwidth"グラフは、これは見事な水平方向の指向性を示しています。
レスポンスグラフは、デジタルプロセッシング(デジタルイコライジング)を施したあとのものなのでフラットなのは当たり前ですが、この水平方向の指向性はそうした処理は不可能です。
Spec Sheetに表示されている"Coverage Pattern (-6dB) Horizontal: 105 degrees nominal (315 Hz-16 kHz)"の通りになっています。
300Hzから低域側の水平指向性が急激に広がっていることから、LFとMFのクロスが300Hz前後であることも分かります。

この優れた水平指向性は、V20の中央に搭載されたウェーブガイド部材とRBI(Radiation Boundary Integrator)によるものでしょう。
このウェーブガイド部材は第4世代(4th generation advanced high frequency waveguide)のものなんだそうです。
改良に改良を重ねたその完成度は非常に高いものとなっているのではないでしょうか。





黄色いホーンシステムではボイスレンジをJBL2392/2490Hと2360A/2446Hに任せ、その低域側を10inchのPeavey 1008-8HEを2発用いたバスレフに受持たせています。
このため、ボイスレンジの低域側を10inchダブルに受持たせているV20には親近感があります。

2392/2490Hの守備範囲は250Hzから1kHz、2360A/2446Hは1kHzから4kHzです。
2オクターブずつということ。
2オクターブは音響的には狭い範囲ですが、音楽的には広帯域と言ってもいいかもしれません。
黄色いホーンシステムでは、この2つの大型ホーンの領域以外の各受持ち帯域は1オクターブになっています。

250Hzの1オクターブ下は125Hz、その1オクターブ下は60Hz、さらにその1オクターブ下は30Hz。
4kHzの1オクターブ上は8kHz、その1オクターブ上は16kHzになるわけです。
実際に8ウェイの帯域分割は以下のような設定になっておりますが、さまざまなクロスを試しているうちにこのような帯域分割にたどり着いたわけです。
なお、ツィーターの領域はツィーターユニットの個性に応じた変則的な帯域分割になっています。
また、111Hzとか4.02kHzなど、異常に細かな設定周波数になっていますが、これはデジタルチャンネルディバイダーのDCX2496の設定できる数値がそうなっているからです。
110Hzを希望しても111Hzになってしまうし、4kHzとしたくても4.02kHzになってしまう、とこういうわけです。


PD.2450  -50Hz
1808-8HPS  50Hz-111Hz
1008-8HE  111Hz-249Hz
2490H  249Hz-897Hz
2446H  897Hz-4.02kHz
2431H  4.02kHz-8.5kHz
DE500  8.5kHz-
2402H-05  10.1kHz-


黄色いホーンシステムの8ウェイ拡張時、Peavey 1008-8HEのバスレフ箱には随分悩みました。
ミッドベースとしてはかなり低域側になるとはいえ、それでもミッドベースであることには変わりはないわけで、そうした帯域に密閉箱ではなくバスレフを選択したことについてです。

密閉箱は十分な容積を稼がないと音が固く薄くなる傾向があります。
例えば、バスレフのダクトを封鎖して密閉箱にする場合、こうした音になりがちです。
Thiele and Small理論を適用して設計されている現代的なユニットとバスレフ箱は、そうした実験に向いていないのです。
当然のことながら、大きな密閉箱に、そうした箱と相性の悪いTSパラメータを持つユニットを入れると、低域のレスポンスがほとんど稼げていない悲惨な特性になってしまいます。

密閉かバスレフかという議論は、Thiele and Small理論が発表される以前の議論だったので、最近ではほとんど語られなくなりました。
こうした話は、もちろん昔のユニットには当てはまりますから、その世界では依然として"あり"です。
そう、これは昔のユニットとそれに適合する巨大な箱の時代を知る者にとっては楽しい話なのです。

一方、現代的なユニットはTS理論を前提に設計されているので、そうした昔の議論をそのまま当てはめても良い結果は得られないようです。
これはダクトを封鎖する実験をしたときに如実に感じました。
結局、現代的なスピーカーユニットを生かすためには、昔の議論に拘泥することなく、TS理論をよく理解した上で設計をしなければならないということです。

Peavey 1008-8HEをどうしても使いたかったのでミッドベース用でもバスレフという変な話になってしまったのですが、今ではこういうのも悪くはないのだなぁ、と思うようになりました。
なお、V20の2261HのTSパラメータは確認していませんが、箱の容積や能率(93dB)から見て、2261Hはミッドベース用のユニットではなく、ウーファー用のユニットとして設計されているように思います。




2261H



2015/11/12

JBL VTX Series V20 & S25 (5)




V20のスピーカーユニットは、25cm、10cm、そして小型ドライバーと、比較的コンパクトなユニットで構成されているため、ユニットの配置が極めてタイトです。
ユニットの集中配置という点では屈指のスピーカーシステムでしょう。

よく見ると、各フロントグリルの内側中央には円盤状の部材が取り付けられています。
番号がはっきりしないのですが(36?)、Technical Manualによると"Foam, LF RBI"と表記されているものではないかと。
10inchユニットのRBIということなんでしょうね…










3発のD2415Kが金属製のスロート部分に取り付けられています。
ラインアレイのこの手のスロートは垂直方向の指向性を極限にまで絞るようにできています。
家庭に持ち込むにはちょっとむずかしいと思わせるのがこの点です。






各D2415Kの2つの磁気回路の熱は、金属製スロートと背面の放熱板により均等に放熱されるようです。
2つのボイスコイルは直列に接続されているようですが、それぞれの磁気回路の熱の不均衡はボイスコイルの抵抗値に影響を与えるため、ダイヤフラムの完璧な対向運動を阻害するのかも。
ちなみにTechnical Manualには、D2415Kに関し以下のような記載があります。

"Nominal Impedance: 3 x 20 Ohms
 (in parallel): 8 Ohms
Bandpass Sensitivity: HF x3 in parallel: 111 dB @ 1W / 1m (2.83 Vrms at 3.3ft)
D.C.Resistance: 16.0 ohm +/- 0.2 ohm each
 (in parallel): 6.1 +/- 0.3 Ohms"







RBI(Radiation Boundary Integrator)と組み合わされている4つの2164Hは、ディファレンシャルドライブではなく、シングルコイルです
ボイスコイル径は50mm(2inch)と大口径。
なお、2164Hの口径について、Spec Sheetには"130mm(5inch)"と、また、Brochureには"4inch"と記載されております。
4inchだとは思うのですが…



2015/11/10

Moser Purity 626, hand cut and engraved vase, motif The Deer




モーゼルの花瓶をヤフオクで購入しました。
鹿がエングレービングにより描かれているものが以前から欲しかったのです。
花瓶の形状は626タイプで、高さは28cm。
Octagonal Facet、色はベリルです。
落札価格は9万円(税込97200円)でした。




北米にはエルクという巨大な鹿がいます。
イエローストーン国立公園にリドルレイクという湖があり、そこに行くためのトレール(小道)を家族で歩きました。
そしてリドルレイクからの帰路、森の中で一匹だけで静かに下草を食べている巨大な雄のエルクに出くわしました。

イエローストーン国立公園ではエルクはめずらしい動物ではありません。
しかし、リドルレイクで出会ったそのエルクは、並外れて大きかった。
その角(antler)も素晴らしく巨大なものでした。

エルクはこちらに気付き、我々の方をじっと見つめます。
エルクは発情期になると非常に危険です。
これはまずいです。
刺激しないようにゆっくりと帰路を進みました。
そのときはエルクに許してもらったというか、相手にされなかったようで事なきを得ました。






ガラスの表面はこんなに深く削られています。
凹状なのに、上の画像のように凸状に見えます。

626のデザイン時期は、1920年~1935年だそうです。
随分時間に幅があるので、色々な形状を試しつつ徐々に形が決まっていったのではないでしょうか。
また、626にはさまざまな種類があり、6面カット、8面カットの他、円筒状のものもあります。






モーゼルの工場はチェコの温泉地カルロヴィ・ヴァリにあります。
チェコの鹿というのはどんな連中なのかなと調べてみると、アカシカが生息しているそうです。
北米のエルクはアメリカアカシカというそうで、アカシカはそれよりやや小さい。
もっとも大きさを除けば似たようなものでしょう。

鹿の角は春に伸び始め、冬の終わりに抜け落ちます。
それを毎年くり返す。
しかし、角は年齢を重ねるごとに大きくなり、また、枝分かれも多くなってゆきます。
エルクの平均寿命は10~13年ほどであり、飼育下では20年ほど生きるそうです。
今回購入した花瓶の鹿さんは若々しい感じがします。
4~6歳ぐらいかなぁ。

モーゼルの鹿にはいろいろあります。
それぞれに味があっていいなぁ。
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