2022/12/21

2022



今年はウクライナ侵攻、コロナ感染大爆発、安倍暗殺といろいろあった。
ウクライナ侵攻ではロシア軍のあまりの弱さ、安倍暗殺では統一教会と自民党との関係に驚かされた。
ウクライナ侵攻はこのブログにも影響があり、侵攻後、ウクライナからのアクセスはなくなり、ロシアからのアクセスも激減した。
下の一覧はこのブログへの国別閲覧数である。




今年はオーディオの当たり年だった。
システムが増えたし、なによりオーディオが楽しかった。
現在のシステムは以下の通り。

1 黄色いホーンシステム
2 DIYホーンシステム+VPC1
3 改造ALTECシステム

これら3つのシステムは電源ユニットを導入し、PEQの再設定を行った。
いずれのシステムも改善され、透明度、奥行と厚みが増し、高揚感がすごい。
ともかく惹き込まれる。

4 YAMAHA W102BW

今年のオーディオ関連の最大の出費はW102BWの購入だった。
そして、生ピアノではあるが音をいじってずいぶん遊んだ。
アコースティックオーディオである。

5 PF70+MOX6+305PMK2

倉庫で眠っていた機材の再利用である。
懐かしいキータッチが復活した。

6 MP9500+308PMK2+305PMK2

変則的なスピーカーの使い方で面白いシステムに育ちつつある。

7 P515B+305PMK2

妻の譜読み用システム。
時々使わせてもらっている。

8 テレビシステム

A-S301とSS-F6000を組み合わせたシステム。
テコ入れしようと思っているが、のびのびになってしまっている。

9 JBL PEBBLES

DIY ART製作用のテーブルで使用している。
実は稼働時間が一番長いのではないかと訝っている。

10 ヘッドホン

ヘッドホン覚醒の年だった。
AKGとBeyerdynamicが気に入っている。
海外製の業務用機材との相性が良いようだ。

ヘッドホンを除く9つのシステムは別々の部屋に設置されているのでなかなか忙しい。
来年のオーディオはいかに。




2022/12/19

Amazon Essentials



今年のamazonのブラックフライデーのセール、何か買うものはないかと考えてみた。
ところが欲しいものは無い。
買い尽くしてしまった感じだ。

思いついたのは作業服である。
今年はDIY ARTが軌道にのった年だった。
テクニックが要求水準に届き始めた、というよりは画風の骨格のようなものが見えてきた、というよりはこれでやっていけるという自信がついた。
これは是非とも画家としての戦闘服が必要なのではなかろうか。




絵の具で汚れてもいい作業服という漠然としたイメージで探していると"Amazon Essentials"というamazonのオリジナルブランドのシャツやジーンズを見つけた。
安いものではシャツは400円台、ジーンズも700円台だった。
しかも無料試着ができる。

面白がってシャツもジーンズも十数着買ってしまった。
セーターやジャケット、半袖、半ズボンとポロシャツなんかも購入し、もはや当初の目的はどこかに行ってしまった。
こんなに沢山の衣類を一度に買ったのは生まれて始めてだ。
元々衣服に頓着するような性質ではないため、大変愉快な経験だった。




2022/12/13

JBL Professional 2446H



黄色いホーンシステムの左CHの2446Hからノイズが出るようになった。
アンプやチャンデバ等を疑ったのだが、どうもよく分からない。
ヨハネスさんに相談すると、磁気ギャップのゴミでしょ、とのこと。
なるほど。




これまでに磁気ギャップの金属ゴミの掃除は、291-16K(左CH)、2490H(右CH)の2回行った。
しかし、いずれの場合でもゴミの存在を確かめずに掃除してしまった。
今回は、LEDライトを使い丹念に探し、2つのゴミを見つけた。
画像の光っているのがその一つで、もう一つは磁気ギャップの奥の方にある。
これらを粘着テープで取り除き作業完了。
ノイズは解消された。

2446Hの裏蓋のスポンジは全く劣化していなかった。
このドライバーは2003年に新品で購入した。
ほぼ20年経過していることになる。

長い付合いである。
しかし、JBLの4インチダイヤフラムのコンプレッションドライバーにあこがれていた時間は、その付合った時間よりも未だ長い。





2022/11/13

Volvo S60 T4SE



子供が車に乗りたいと言い出したので2015年式のボルボS60を購入した。
本体価格は129万円、諸経費整備等込みで約150万円だった。
走行12900kmなので新車同様である。




外装はパールホワイト、内装も薄いベージュ。
このころのボルボのシンプルな内装デザインが気に入っている。

タイヤにはコンチネンタルのエクストリームコンタクトDWS06プラスをおごった。
これはベンツS550にも装着している。
なかなか良いタイヤだ。




2022/10/30

DIY ART "Peony A"



完成したので玄関に飾った。
DIY ARTプロジェクトの最初の作品である。




気になるところを少しづつ修正していったので今のところ気になる部分がない。
下塗りが終わっているピンクの方にとりかかろう。





2022/10/22

DIY ART "Wind God and Thunder God"



牡丹の花の製作と並行して俵屋宗達の風神雷神図を描くことにした。
ややコンパクトにS10号パネル10枚で縦2枚横5枚の計10枚で計画した。
縦106㎝、横265㎝なので結構大きいように思ったのだが。




とりあえず風神だけシャープペンで描いてみるとなんだかこじんまりしていてちゃちだ。
つまらんものを描くのは意味がない。
計画を変更しなければならない。

2022/10/02

DIY ART



牡丹の花のもう一方である。
下塗りはとうに完了し、さらに塗り進めている。
牡丹の花に見えるかどうかは牡丹を知っているか知らないかにかかっている。




使用している絵の具はニューサクラカラーの白と空色の二色だけである。
空色なのにずいぶんと濃い色だ。
ほとんど青である。
で、ニューサクラカラーの青色も持っているが、かなり派手なというかキツイ青なのでこれは不採用である。




どんな具合に仕上げてゆくかはまだ決めていない。
これから先、色数を増やしてゆくことも考えられる。
しかし、白と空色の二色のみで仕上げるというものありかな、とは思っている。




2022/09/22

JBL Pebbles



ペブルスを購入した。
amazonで6727円だった。
2015年3月に購入したときは5745円だったので982円値上がりした。

DIY ARTの作業用の机がある部屋には古いパソコンがあるもののオーディオ装置がない。
隣の部屋には、DIYホーンシステムがある。
そして2つの部屋はドアでつながっており、そのドアを開け放って音楽を聴いていた。

しかし、音楽を聴きながら絵を描くわけであるから、これほどの大規模システムを稼働させる必要はなかろう。
それでペブルスである。
こういう用途にはぴったりではなかろうか。
なお、以前購入したペブルスは妻のノートパソコン用として健在である。




JBL濃度が高い生活のせいか、DIY ARTはすこぶる順調である。



 

2022/09/06

JBL Professional 305P Mk2



308PMk2と305PMk2の音量が同じになるように調整した。
308PMk2はBASSが-1.5dB、HIGHが+2dB、305PMk2のBASSが0dB、HIGHが+2dB。




音に包み込まれているというよりは、音に厚みが出た。
308PMk2だけだと薄味という感じがしたのだが、305PMk2を加えるとドライブ感が増す。
なかなかいい。ちゃんとJBLしてる。
この厚みが邪魔だと思えるときはStudio Lのスイッチ一つで305PMk2を外せる。




この厚みのある音の傾向は、305PMk2を308PMk2の下方に配置しても変わらない。
大型スピーカーの音の厚みとは方向性が異なるが、この手軽さでこの音なら許せる。
MP9500システムは、なかなか面白い感じに育ってきた。




2022/08/26

JBL Professional 305P Mk2



305PMk2を選んだのは、MST2がセット品だったからだ。
これは角度がつけられるのでステージモニター的なセッティングができる。
縦のものを横向きにしたからってどうってことないが、MST2とこんな具合に組み合わせた姿は妙に気に入った。




各MST2の天板にはダイソーの耐震ジェルを8枚づつ使い305PMk2をしっかりと固定した。
305PMk2だけを持って持ち上げてもMST2が脱落するようなことはない。
MST2の底板には家具用フェルトを張り付けて床が傷つかないようにした。




2022/08/18

JBL Professional 305P Mk2



305PMk2をさらに1ペア購入した。
これで3ペア購入ということになる。
今回もサウンドハウスのスタンドセット品で、セットになっているスタンドはクラシックプロのMST2である。
25800円に5%引きのクーポンを使い24510円だった。




ベリンガーのStudio Lのモニター出力が2系統あるので、308PMk2に305PMk2を加え4台体制にしようと。
この4台で奏者を音で包み込もうという算段である。
例のCP80Mを四方から囲む、というのをお手軽にやってみようと。




2022/08/10

DIY ART



じっくりと進めているDIY ART。
何度か塗り重ね、ようやく姿が明らかになってきた。
あいかわらず白とピンクと黄色の3色しか使用していない。
下塗りの段階だが、まあまあの出来だ。




パネル工法である。
S10のシナ合板の木製パネルを6枚使用している。
S10のサイズは53cmx53cmなので、6枚で159cmx106cmになる。
M100号と同じぐらいだ。
これは風神雷神図のような一対の作品の片方である。
もう片方も同様のサイズなので、縦に並べると159cmx212cmになるわけだ。





2022/08/07

YAMAHA CP80



1987年のヤマハのカタログにこんな文章がある。

"エレクトリックピアノにMIDI OUTが
付いた時は、気持ちがなごんだ。
アコーステックサウンドは、
ホームスパンのジャケットの風合いじゃ
ないかと、思うようになった。
最近は、新しい音源モジュール、TX802を
つなぐことが多い。出力は
今ステレオアウトから出しているが、いずれ
デジタルミキシングプロセッサーDMP7を
導入したら、パラアウトから出して、
CP80Mを囲むように
再生してみたいと思っている。

複雑だが素朴なメカニズムから発生した
9nHのノートオン信号が、
8つのデジタルFM音源を発音させ、
それが更にデジタルエフェクトで広がり、
再びCPを包み込む様子は、想像
しただけでファンタスティック。
ステージで再現するにはどうしようか。"




この文章が当時からずっと頭の隅にひっかかっていて、
ならば、CP80Mと組み合わせるスピーカーシステムは
どれがいいか、なんてことを考えてきた。
少し前は、JBLのSRX738を4台で決まり、
と思っていたが、最近は後継機種のSRX835が
ドンピシャだろうと思っている。
SRX835には36mmのポールソケットがあるので、
三脚風のスピーカースタンドでぐっと高めにセットして、
CP80Mを四方から囲むように配置したい。



2022/07/30

YAMAHA CP80



あこがれていたというより… いや、やはりあこがれていたのかもしれない。
音よりもその姿というか在り様に。
CP80MになってMIDI端子がついたときには、これは完璧なんじゃなかろうか、と思った。




CP80はハウリングの心配がないのでスタジオ録音で活躍した。
響板がないので移動しないで使うと調律はほとんど不要だったそうだ。

CP80の音はシンセやデジピにはたいてい内蔵されている。
pianoteq7のCP80の音源は気に入っている。




2022/07/27

AKG K612 Pro



AKG K612Proを購入した。
サウンドハウスで10800円だったが、10%引きクーポンと6140ポイントを使用して3580円で購入できた。




K612ProはソナーワークスのブログではゼンハイザーのHD800Sよりも高評価である。
キャリブレーションなしの"Sound"の総合評価では、K612Proが8、ゼンハイザーのHD800Sが7.2である。
ちなみにK612Proの好敵手とされるBeyerdynamic DT880Proは7.4。
K240STに通じるナチュラルな感触が素晴らしい。

ヘッドホンはどこまでいってもスピーカーの代わりにならないことは分かっているが、スピーカーとは別種の音響装置だと割り切ってしまえば、これはこれで楽しい。
マイク等の業務用機材を長年作り続けてきた老舗メーカーが考えるモニターサウンドを彼らのヘッドホンを介して知ることができるので大変勉強になる。




2022/07/23

Behringer Studio L



MP9500のシステムでは、ノートパソコンの音源ソフトだけを使っていた。
しかし、MP9500に内蔵されている音も聴きたいし、スマホ等の外部音源も接続したい。
で、このスタジオLは、そうした3系統の音源を切り替えて使うにはぴったりの機材だ。
MP9500の内蔵のグランドピアノ音色のカットオフを-3ぐらいにした音(やや丸まった音)が好きなので、これが復活してうれしい。




正確には切り替えるのではなく、同時に選択することもできる。
MP9500のステレオ入力と音源ソフトからのUSB入力とを同時に選択できる。
MP9500の内蔵音色とpianoteq7の音色をレイヤー(重ねて発音させること)できるわけだ。




スタジオLの幅はJBL308Pmk2の幅と同じだ。
スピーカーの上にのけっても小さいので違和感がない。
また、奥行きが浅いのでMP9500の肩にものっけられる。
しばらくそれぞれの置き方での使い勝手を試してみよう。




クローム色のプッシュボタンをポンと押すだけで入出力を切り替えられるのは大変便利。
モニタースピーカー用の出力は2系統。
これも切り替えの他、同時出力ができる。
また、それぞれの出力レベルを-12dBから0dBまで調整ができる。
2系統のスピーカーを自在にコントロールできるので、この機能は生かしたい。







2022/07/17

Behringer Studio L



MP9500のシステム用にベリンガーのスタジオLを購入した。
amazonで22584円だった。




DAコンバータを内蔵したプリアンプである。
レベルメーターがとても美しい。
こんなの初めて見た。
これだけでも買った価値はあるかもしれない。

MACKIEのBig Knob Studioとほぼ同じデザインだ。
どちらでも良かったのだが、ビッグノブのコンバータが96kHzなのか192kHzなのかはっきりしなかったのでベリンガーにした。
まあ、音も使い勝手もたいして変わらんであろう。




ドライバーをダウンロードしてとりあえずヘッドホンアンプとして使ってみた。
音はいいと思う、というか、今時、この手の製品で音が悪いなんていうのはないだろう。
2系統のヘッドホン出力があり、それぞれボリュームがついている。
2つのヘッドホンを聴き比べる際に、これはとても便利だ。




2022/07/13

Audio Asylum "My New Washer and Dryer"



かなり以前(よくは覚えていないのだが20年以上前か?)、Audio Asylumの様々なスレッドからいろいろなオーディオの知識を学ばせてもらった。
海外のレベルの高いオーディオマニアの考え方が学べて楽しかった。

この経験から国内のオーディオ雑誌的な考え方を相対化することができ、気楽になれた。
もとより自らの感性をしっかりと保持するタイプであるから、常識の相対化は己を押し通す推進力?に変換された、ホントだってば。
そして、DIYホーンスピーカープロジェクトはそうした得体のしれない奇妙な推進力のおかげで完成に漕ぎつけた、という次第である。




DIYホーンについては、どうだろう、まあ、大方の関心を惹かないのではないかと思っていた。
CWホーン(Constant Width)のバックロードホーンならばともかく、同じホーンでもミッドホーンやハイホーンを作るとなると大抵は尻込みするだろう。
それが、小型のホーンではなく大型ホーンとなるとなおさらだ。
特に様々なホーンと親しんできた者なら、そうしたホーンの自作を無謀と感じるのは仕方がない。
かって自分もそうだったからだ。

DIYホーンスピーカーは、さらに7ウェイマルチアンプシステムであり、コントロールが難しく失敗して当然のシステムだと思われている、と思っている。
そんなシステムに対して、Audio Asylumにユーモアあふれる好意的なスレッドをたてて頂いたことを光栄に思い、また、深く感謝している。




2022/07/08

Beyerdynamic DT880 Edition



DT990エディションが気に入ったので、DT880エディションも購入した。
サウンドハウスで21800円だった。
半開放型でインピーダンスは600オームである。




このエディションシリーズは、DT990やDT880のプロシリーズの音楽鑑賞用バージョンである。
頭部での安定性よりも快適性を重視して側圧を緩め、カールコードを長めのストレートケーブルにし、デザインも変更している。
ドライバーは同じものであるため音は基本的に変わらない。
もちろん、側圧が弱くなっているので厳密には異なるとは思う。
なお、DT880は、DT990の5年前、1980年に開発されたそうである。




2022/07/01

YAMAHA PF70 and MOX6



ヤマハW102BWに居場所を明け渡したpf70とMOX6を他の部屋に移動した。
倉庫に片付けるには惜しいシステムだからだ。
JBL 305PMK2もいっしょだ。




pf70の鍵盤のタッチは今や貴重だ。
弾くたびにはるかに遠くなってしまった青春の日々を思い出す。







2022/06/28

Beyerdynamic DT990 Edition



ベイヤーダイナミックのDT990エディションを購入した。
サウンドハウスで21800円(19148円+2652ポイント)だった。
開放型でインピーダンスは250オームである。




DT990PROも検討したが、側圧が強いという点とカールコードという点でエディションにした。
金属パーツを多用しているためかクラシックな雰囲気がある。
また、生産は中国ではなくドイツだそうだ。

Wikiによると、ベイヤーダイナミック社は1924年にオイゲン バイヤー(Eugen Beyer)がベルリンにて設立。
1937年に世界初のステレオヘッドフォン「DT48」を発売。
DT990は1985年に開発されたそうである。 





2022/06/23

SENNHEISER HD599



ゼンハイザーのHD599を購入した。
amazonで21700円だった。
ゼンハイザーの米国サイトでは149.95ドルだったので割高な感じがする。




HD599はRTINGS.COMというヘッドホンの比較サイトで快適性(Comfort)、通気性(Breathability)、安定性(Stability)の項目でK701よりもやや良い評価だった。
快適性はヘッドホンの重量と側圧(Clamping Force)、通気性は耳の温度分布が示されており分かりやすい。
使用してみるとHD599の装着感はK701と同様、良好だった。




Geekriaのアクリル製のヘッドホンスタンドも購入した。
amazonで2800円。
サイズはL、厚さ約1cmのアクリル板を曲げて作ってあり重量もある。
ヘッドホンの見栄えが良くなり気に入ったので追加でもう1つ購入した。
ただし、2つとも目立つ傷があったし、加工精度もよくない。
だからそういうのを気にしない人むき。


 

2022/06/15

Speakers with Behringer DEQ2496



スピーカーのキャリブレーションは手動で行うより自動(AUTO EQ)で行う方が断然良い結果を得ることができると思っている。
理由は分からないが、これは長年の経験から確実である。
ただし、これには2つの条件がつく。

まず、最低域や最高域の極端な修正結果(例えば20Hzで+10dB、20kHzで+10dB)が出た場合には、スピーカーの再生能力の不足が原因の異常値であるため、0dBに修正する必要がある。
無用な電力をスピーカーユニットに送り込めば、当然、何らかの悪い影響が出るのは必定である。




次に、定在波の影響による測定結果の修正が必要である。
例えば100Hzとか200Hzとかの特定の周波数だけでポーンと+10dBや-10dBなどの突出した修正結果が出た場合には、定在波を疑うべきである。
定在波はその振幅の腹と節があり、それぞれ異常値が出る。

突出した異常値はグラフの連続性を乱さないように手動で修正する。
「自動」を「完璧」と誤解してこの修正を行わないと、オートキャリブレーションは無意味なものになる。
異常値の周波数帯域(極端にブーストされた帯域)が悪さをしてまともな音にならない。





2022/06/14

AKG K701 with Behringer DEQ2496



このブログは各ヘッドホンの特徴を知る上で大変参考になったし、ヘッドホンという音響機器を彼らがどのような観点から評価しているのか、ということも知ることができた。
また、キャリブレーションによる最低域のブーストはほどほどにしておくべきだということが理解できた。
この帯域は歪成分が多いので、ブーストによりこの歪成分もブーストしてしまうのである。
画像はAKG K612PROのTHDのグラフである。




ヘッドホンとスピーカーの最大の違いは低音再生だと思う。
理由はよく分からないが、ヘッドホンでは低音の雰囲気というか空気が振動する様子が再現できない。
逆に言えば、ヘッドホンでは最低域をカットしてもそれほどダメージがないので、最低域のブーストは控えめでもかまわないわけである。
K701のGEQの20Hzを+3dB、25Hzを+6dBに修正した。





2022/06/13

AKG K701 with Behringer DEQ2496



#7、#8、#9の3つの素子は、高音グループの素子である。
#7は、2kHzから5kHzの高域を調整する。
#8は、7kHzぐらいの高域を調整する。
#6は、10kHzから12kHzの高域を調整する。
画像は、#7が2825Hz、1/2oct、-3dB、#8が6324Hz、3/4oct、+2.5dB、#9が11246Hz、1/2oct、+1.5dBである。




高域は、耳に聴こえやすい帯域と、耳に聞こえにくい帯域の2種類の帯域がある。
#7は聴こえやすい帯域、#8と#9は聴こえにくい帯域である。
したがって、一般的には#7はカット、#8と#9はブーストする。

#7は等ラウドネス曲線からも理解できるように全帯域で最も聴こえやすい帯域だ。
キャンキャン、チンチンといった音である。
耳につく帯域であり、聴き疲れする帯域でもある。
Q値を広めにしてバッサリとカットしたくなるが、やりすぎると高音全体の力が失われてしまうので注意が必要だ。
この場合、容易にカットを弱めるのではなくQ値を狭めると生き返る。

#8はおなじみのサ行の気になる音である。
FFTで分析するとかなり広い帯域に分布しているのでこの#8の帯域だけではないはずなのだが、#8でおよそコントロールできる。

#9は事実上の最高域であり、コントロールの難しい帯域だ。
シンシンという感じの音にならないような帯域だからだ。
やはりキャリブレーション(AUTO EQ)してから調整したい。
この帯域では定在波が考えにくいのでキャリブレーションの結果には基本的に手を加える必要はないと思うが、20kHzで+10dBなどという修正結果が出た場合には、異常値であるため0dBに修正しておこう。

#7と#8は、遠慮してしまいがちな帯域ではあるが、これをきちんと出しておかないと音が死んでしまう。
とりあえずドーンとブーストして、それから徐々にカットしながら最適値を探るようにしたい。





2022/06/12

AKG K701 with Behringer DEQ2496



#4、#5、#6の3つの素子は、中音グループの素子である。
#4は、120Hz以上の中低域を調整する。
#5は、120Hzから1.2kHzまでの中域を調整する。
#6は、1.2kHz以下の中高域を調整する。
画像は、#4が200Hz、1/3oct、-1.5dB、#5が447Hz、3/2oct、+2dB、#6が796Hz、1/3oct、-1.5dBである。




中域は音楽の基礎の帯域なので、ここのレスポンスが低下すると全体が暗く痩せた感じになってしまう。
イコライジング作業は低域や高域に気持ちが行くので、相対的に中域のレスポンスが低下しており、できあがった特性の音が、なんとなくさえない場合は中域のレスポンスの低下を疑うべきだ。
目安としてはボーカルが暗く痩せた感じの場合は、この状態にある。

中域の主役は#5の素子である。
約440Hzをとりあえずの中心周波数にしている。
ピアノのA4の音を想像すると、1オクターブ上とか下などが理解しやすい。
Q値は1oct以上と広くとって広い範囲で浅くブーストするとおだやかな効果が得られる。

#5の範囲を#4と#6の2つの素子で限定する。
3つの素子のうち両側の2つの素子で中央の素子の帯域を限定するのは、低域と同じ考え方である。
#5のQ値を大きくして広い範囲でブーストしても、#4によって中低域が一緒にブーストされることを阻止することができる。
#4によるカットは、音の厚みの調整のほか、低域と中域を分離することができる。
#4の中心周波数は150Hzから350Hzと広い範囲で選択できるが、たいてい200Hzか250Hzぐらいを選択している。

#6は800Hzか1.2kHzの中心周波数であり、若干のカットで使用する。
等ラウドネス曲線でこの2つの周波数帯域の耳の感度がやや上昇しているからである。
たいていは800Hzを選んでいるが1.2kHzで設定することもある。
#6を800Hzにする場合にはQ値は小さめ(1/3oct)、1.2kHzの場合はそれよりもやや大きめ(1/2oct)がよい。




2022/06/11

AKG K701 with Behringer DEQ2496



#2、#3、#4の3つの素子は、低音グループの素子である。
#2は、25Hzから50Hzの音にならないような最低域を調整する。
#3は、60Hzから120Hzぐらいの低域を調整する。
#4は、120Hz以上の、正確に言うと低域ではなく中低域の素子である。
画像は、#2が20Hz、3/4oct、-6dB、#3が80Hz、1oct、+3dB、#4が224Hz、1oct、-1.5dBである。




#3が低音グループの中心で、たいてい3dBを目安にブーストしている。
中心周波数は64Hzから80Hzが多い。

最低域の#2は、通常のスピーカーの場合はまともに再生できないので、カットしようがブーストしようが結果は同じである。
サブウーファーがあり、クラシックを再生する場合には、ここは思い切ってブーストしている。
但し、この最低域の極端なブーストは他の帯域をマスキングしてしまう効果を持っているので、その場合でもほどほどにしないといけない。
明瞭度を上げるため、この帯域はカットすることが一般的だと思う。

#4は低域の厚み調整用である。
この帯域を低音と一緒に持ち上げてしまうと低音が不明瞭になり、モヤモヤして締まりがなくなってしまう。
低音の姿をはっきりさせたいときは、この帯域をカットする。
目安としては160Hzが0dBになるようにしている。

クラシックの場合は、この#4の帯域のカットは限定的か、または行わない。
厚みがなくなってしまい、主に弦のパートが全く面白くなくなるからである。
#4は低音の質を決定する極めて重要な素子だと思っている。

#2と#4は、#3のブーストの範囲を限定する役目を持っている。
#3のQ値を大きくとって広範囲の低域がブーストされた際にも、#2により最低域が、また、#4により中低域がいっしょにブーストされるのを抑え込むことができる。
という訳で、低音のコントロールにはこの3つの素子が必須なのである。





2022/06/10

AKG K701 with Behringer DEQ2496



昔のアンプのトーンコントロールには、ターンオーバー周波数の切替えスイッチを備えた機種があった。
これは、Q値を変えると似たような特性が作れる。
画像は、Q値を5オクターブから3オクターブに変更した特性だ。




#1と#10の2つの素子による変化は広範囲に及んでいるので、スピーカーやヘッドホンの個性をそのままに全体の帯域のエネルギーバランスを好みの方向へ持っていける。
部分的な帯域が強調された妙な音になる可能性が小さい。

#1と#10の2つの素子は、低域、中域、高域の各帯域の調整をしたのち、全帯域のエネルギーバランスを最終的に微調整するのに使用すると大変作業効率が高い。
部分的な帯域をそれぞれ調整して全体のエネルギーバランスの微調整をおこなうのは非常に大変なのだ。

なお、アナログのグラフィックイコライザで傾斜した特性を瞬時に作るには、傾けた定規にノブを次々に当ててゆけばよい、と考えている、がどうだろうか?




2022/06/09

AKG K701 with Behringer DEQ2496



#1と#10の2つの素子は全体のバランスを簡単に変更できるので便利である。
昔のプリメインアンプとかコントロールアンプについていたトーンコントロールの効き方と似ている。




ハーマンのターゲットカーブに紹介してあった20Hzから20000Hzへ10dB落ちの特性を作って聴いた。
#1が+5dB、#10が-5dBである。(他の素子はすべて0dB)
これは、低音が多すぎ、高音が足りなさすぎである。
#1を+3.5dB、#10を-2.5dBにしたらバランスがとれた。



2022/06/08

AKG K701 with Behringer DEQ2496



#1と#10の2つの素子は広範囲の帯域をチルト(傾斜)させるための素子である。
#1は低域側、#10は高域側である。
簡単に全体的なバランスを調整できる。
画像は、#1を+3dBとし、#10を-3dBとした場合を示している。




Q値はいずれも5oct(オクターブ)になっている。
20Hzから20000Hzは約10オクターブだ。
20Hzの5オクターブ上は、20Hz-40Hz-80Hz-160Hz-320Hz-640Hzなので640Hzである。
20000Hzの5オクターブ下は、20000Hz-10000Hz-5000Hz-2500Hz-1250Hz-625Hzなので625Hzである。
ほぼ中域のど真ん中から低域側と高域側をそれぞれ持ち上げたり押し下げたりすることができる。

イコライジングはその変化した面積で効いてくるので、広範囲の帯域をチルトするこのようなイコライジングは、0.5dBの上げ下げでも音がかなり変わる。





2022/06/06

AKG K701 with Behringer DEQ2496



DEQ2496は、グラフィックイコライザー(GEQ)とパラメトリックイコライザ(PEQ)が搭載されており、GEQが一段目、PEQが二段目という構成になっている。
そこで一段目のGEQでフラット化した特性を二段目のPEQで好みのバランスに変化させた。






PEQの設定は作成中のオリジナルのターゲットカーブである。
今まではクラシックのオーケストラ用に特化したカーブを作ってきたが、このターゲットカーブはそうした目的ではなく、様々な音楽に対応できることを心掛けて作成している。



2022/06/05

AKG K701 with Behringer DEQ2496



ソナーワークスのデータを参考にしてK701のフラットな特性を作成した。
DEQ2496の31素子のグラフィックイコライザー(GEQ)を使用した。
このGEQには"True Response"という機能が搭載されており、各素子による変化を連続的な変化に自動的に変えてくれる。




忠実とは言い難いが、聴いてみるとフラットな特性になっていることが分かった。
フラットな特性の音の特徴である、ナチュラルな感じがなく、やや痩せて暗い艶もない無機的な印象を受ける。




2022/06/04

Sennheiser HD600 and HD650




開放型でよりフラットな特性を持つのがゼンハイザーのHD600とHD650だ。
低域を除く全帯域にわたり±3dB程度に収まっている。



全般的に高域のエネルギーが過多ではないかと思ってきたが、このゼンハイザーの特性を見ていると安心する。
モニターヘッドホンにはノイズを聴き分ける必要もありこういうことになっているのだろうけれども、こういう特性もありなんだと思った。





2022/06/03

AKG K701 with Behringer DEQ2496



K712PROの特性を再現するために、ベリンガーDEQ2496のパラメトリックイコライザ(PEQ)を用い、K712PROの特性を再現するために低域から中域にかけて約3dBブーストした。
このブーストには2素子を用いた。

(1)100Hz  Q2oct  +3dB
(2)447Hz  Q3/2oct  +2.5dB


次に、中域側の(2)の素子をはずし(1)のみにしてベイヤーDT990PROの特性風にした。



どちらも悪くない。
通常の音量や小音量でのリスニングでは中域が充実したK712PROの方が豊かさを感じさせてくれる。
しかし、音量が大きくなるにつれ、DT990PROの方が聴きやすくなる可能性がある。
なお、このイコライジングを行ってもまだK701の高域がやや強すぎるようだ。




2022/06/02

Beyerdynamic DT990 PRO 25O OHM




AKG K712PROの周波数特性は、ベイヤーダイナミックのDT990PROの特性との近似性があるように思う。
両者の低域側の再生能力はほぼ対等と言える。
DT990PRO(中段)の低域から中域へかけての特性は、K712PRO(上段)とK701(下段)の中間のようにも思える。
また、DT990PROは10kHz以上のレスポンスがK712PROやK701よりもかなりある点も特徴的である。