PAX-A30の推薦箱の内、大きめのサイズのがこれである。
縦108cm、横72cm、奥行45cm、内寸容積275Lと現代的な30cmクラスの箱と比べるとかなり大きい。
箱の大きさは測定上、低域の再生限界に関連するが、聴感上はそれに加え低域側のスケール感と関係する。
要するに朗々と鳴る、のである。
スピーカーシステムの原理は共振系を電磁的にドライブすることだから、猛烈なドライブ力のある超巨大ユニットと超ドでかい共振系とを組み合わせると、とてつもない何かが起こる。
それから、こうした現象は広大なバッフル面積の相乗効果によってもたらされることも指摘しておこう。
箱が大きくなると、当然、箱を構成している板材の振動も問題になる。
補強材をたくさん入れてガチガチに固めると一安心だが、これを緩めてある程度鳴らしてやるやり方もある。
あまり固めるとホーンも箱も音が死ぬ、というか楽しくなくなる傾向があるので、ほどほどにしておいた方がよい。
上は、38cmウーファーのPW-A38の推薦箱である。
縦115cm、横83cm、奥行51cmであり、内寸容積は395Lである。
15インチなら少なくとも200~300Lは必要なんて言われていた時代であった。